以前から足の親指の爪に痛みがありましたが、最近、腫れてきて歩くのもつらいです。どうすれば痛みがやわらぎますか?
A.陥入爪の可能性があります。早めに医師の診断を受けましょう。
陥入爪(かんにゅうそう)は巻き爪と混同される場合がありますが、爪の角がトゲのようになって皮膚に食い込んで炎症が起こるもので、おもに足の親指に発生します。巻き爪は指先から見て爪の左右両端が丸く内側に入り込む状態で、ひどくなると爪が「の」の字になります。
陥入爪の原因として、(1)深爪 (2)きつい靴 (3)爪白癬(つめはくせん) (4)体質(家族性)がありますが、多くは深爪によるものです。(2)は足に合わない幅の狭い靴やハイヒールを履いていたり、バレーボールやバスケットボールなど瞬間的に強く踏み込むスポーツをしている場合、(3)は爪白癬の変形した爪が皮膚に刺さってしまった状態です。
軽症の場合はテーピングの仕方を指導することで治ることもありますが、それでも改善しない場合は陥入爪手術や矯正法などで治療します。手術は局所麻酔をして、くい込んでいる部分の爪を縦に切り、フェノールという薬品を使用して爪の根を処理します。メスを使わずに、くい込んだ部分の爪が生えてこないようにするのです。
矯正法は、爪の両端に穴をあけて形状記憶のワイヤーを装着する方法と、特殊なプレート「B/Sブレイスクイック」を爪に貼ることにより爪全体をやさしく持ち上げ、その状態を継続して爪を正常な状態に近づける方法があります。どちらも痛くない治療法で、麻酔などは使いません。
陥入爪の予防は、足を清潔に保ち、深爪をしないこと。爪を切る際、爪の先の角がほんの少し指先より出るように残しましょう。深爪をして爪が皮フにくい込むと、痛む部分の爪を切る人が多いようですが、これをやってはいけません。一時的に痛みはなくなっても、伸びて切っての繰り返しが悪循環を引き起こします。常に痛みを感じる場合は、陥入爪の可能性があるので、早めに受診しましょう。