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スタッフブログ

アトピーは皮膚科に相談してください

こんにちは、看護師の有留です

乾燥の時期になってきて持病のアトピーが悪化してきました…皆様の中にもアトピーで悩んでいる方はいらっしゃいますでしょうか?

アトピーは皮膚のバリア機能が低下した乾燥状態に、アレルゲンの侵入(ダニ・ほこり・食べ物など)やストレスなどの多様な環境的要因が重なって起こると考えられています。原因や症状には個人差があり、症状を悪化させる要因も人それぞれ異なるのがアトピー性皮膚炎の特徴です。

アレルゲンが皮膚から侵入すると、それを攻撃し、からだの外へ追い出そうとする免疫細胞と結びつき、ヒスタミンという物質を出すことで炎症が起こります。
また、掻き壊しによりバリア機能が低下した皮膚は、ちょっとした刺激でもかゆみが起こりやすい状態のため、さらに掻いてしまい、よりバリア機能が破壊されるという悪循環に陥りやすくもなります。

健康な皮膚とアトピー性皮膚炎の皮膚

かゆみと炎症の悪化サイクル



アトピー性皮膚炎の治療法




アトピー性皮膚炎の治療法には、症状が出たときに治療する「リアクティブ療法」と、症状が引いてもしばらく治療を続ける「プロアクティブ療法」の2種類があります。




(リアクティブ療法)




1.炎症を抑える




炎症があるときによく使用されるステロイド外用薬は、炎症やかゆみを抑える効果があります。ステロイド外用薬は5段階の強さに分けられ、体の部位や、年齢などを考慮して、薬の強さや塗る回数を決めます。症状が改善したら弱いレベルのステロイドや免疫抑制剤であるプロトピック外用薬に切り替えるなど、医師の指示に従ってきめ細かく使い分けていきます。かゆみが強い場合、外用薬の他に抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬など内服薬も併用します。プロトピック軟膏の使用のタイミング




  1. ①ランクの強いステロイド外用薬に引き続いて使用し、寛解導入を確実にする方法
  2. ②症状再燃に合わせて可及的早期に使用することで、ステロイド外用薬を使用せずプロトピック軟膏単独で再燃を鎮静化する方法
  3. ③再燃しやすい部位に、再燃抑制を目的としてプロトピック軟膏を週2、3回間欠的に継続する方法(プロアクティブ療法)



2.悪化因子を取り除く




原因や悪化因子を取り除くには、ダニやハウスダストが原因になることがあるので室内にほこりがたまらないように頻繁に掃除し、カーペットや布製家具はできるだけ使用しないように心がけます。皮膚を汗や汚れから守るには、毎日の入浴・シャワーで清潔に保つことが大切ですが、熱すぎるお風呂はかゆみを引き起こすので注意が必要です。




3.スキンケアをする




スキンケアは皮膚の清潔を保ち、保湿剤は入浴後5分以内に塗るなど、しっかり保湿をすることが基本です。保湿剤は乳液タイプやクリームタイプ、軟膏タイプなど季節や肌の状態に合わせて処方します。せっけん選びでは刺激の強い薬用せっけん、皮脂を取り除き皮膚のバリア機能を低下させる合成界面活性剤を使用したボディーソープは避け、固形せっけんを。頭髪は低刺激のシャンプーを使い十分に洗い流します。







(プロアクティブ療法)




炎症期にステロイド外用薬などの抗炎症外用薬で湿疹などの炎症を抑えるのはリアクティブ療法もプロアクティブ療法も同じです。
プロアクティブ療法では症状の改善後、もともと炎症のあった部位に抗炎症外用薬を週2回ペースでほどのペースで定期的に塗布し、炎症のない状態を維持します。また、保湿外用薬も併用していきます。
何回も繰り返して湿疹などの炎症が出る方には、プロアクティブ療法をおすすめします。








かつては私も大人になれば治るといわれていましたが実際にはまだ治らなく、患者さんの中には一度治っても成人してから再発する方もいます。掻かないようにしなきゃと思えば思うほどつらくなるのがアトピーですよね。




くすりを服用、塗布してもかゆみがつらいときは、冷たい水で洗ってからくすりを塗ったり、凍らせた保冷剤や冷たいタオルなどで冷やしたりすると、かゆみがやわらぎます。私は苦しくならないように、あまり気にしすぎず、なるべく無理をせず、明るい気持ちで、アトピー性皮膚炎と付き合っていく自分なりの工夫を心がけています




長期的な治療とケアが必要となることが多いので、主治医との信頼関係はとても大切です。分からないことや困っていること、気になることなど、なんでも相談してください。