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スタッフブログ

円形脱毛症の治療

医師の澤田です。今回は円形脱毛症の治療経過をお見せします。

頭に円形の抜け毛ができることを円形脱毛症といいます。本来、ウィルスや細菌から自分の身体を守ってくれる免疫細胞「リンパ球」が、ストレスなど何らかをスイッチとして自分の毛包(毛を包んでいる組織です)を攻撃し、炎症が起き毛が抜けてしまいます。

円形脱毛症には、脱毛斑が1カ所だけできる単発型、複数カ所できる多発型、側頭部から後頭部にかけて帯状にぬける蛇行型、頭だけでなく体毛も抜けてしまう汎発型があります。
多くの患者さんは単発型、多発型で占めています。

今回の患者さんは単発型円形脱毛症です。円形脱毛症を発見し三ヶ月ほど様子をみていましたがなかなか生えてこないため当院を受診されました。

診察時には円形脱毛症の進行は止まり抜け毛も落ち着いていましたが、毛が生えてこず固定期という状態でした。
円形脱毛症の治療では炎症を抑えるステロイド外用剤と血管拡張作用をもち発毛を促すフロジン外用剤の2種類を必ず処方します。さらにケナコルト局所注射(主成分はステロイドです)を頭皮に打ちました。月1回の計4回行いほとんど生えそろったため治療終了となりました。

基礎疾患なく円形脱毛症が数カ所だけの場合、80%の患者さんは1年以内に毛髪が回復すると言われていますが、治療が遅れると生えてこないこともあります。はやめに治療するのをお勧めします。



ホクロの除去について 

医師の澤田です。当院ではホクロ除去の相談がよくあります。
ホクロの正式名称は「母斑細胞母斑(ぼはんさいぼうぼはん)」になり、ホクロの根元には母斑細胞(ぼはんさいぼう)が増殖しています。

当院では炭酸ガスレーザーで除去しています。レーザーの経過が気になる方も多いと思いますのでご説明させていただきます。

スタッフの鼻横にあるホクロを除去しました。麻酔クリーム30分塗布後に、さらに局所麻酔の注射を打ってからレーザー開始です。施術中、痛みはほとんどありません。
ホクロの黒さがとれ、すこし凹んだ状態で終了になります。







ハイドロコロイドパッチを貼って終了です。このパッチは傷を保護し治りをよくしてくれますので1週間はりましょう。(部位やほくろの大きさによっては化膿止めクリームを処方しております。) シールが肌に馴染んで目立ちにくいです。








1週間後には皮膚は上皮化(傷が閉じる)しますが、赤みは半年ほど続きます。(この後の経過は写真をとってブログにあげます!)
紫外線対策は必須です。レーザー後診察時にビタミンCローション(ICローション)を処方していますので、それを塗ることで色素沈着予防になりキレイに治りやすいです。
ホクロの除去は意外と難しく、色素沈着以外にも再発、肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)、凹んだまま治ることもあります。レーザー後の診察も大事になってきますので、是非見せに来てくださいね。

ホクロは1mmにつき3,300円、1回につき5か所までの施術です。
※別途、麻酔クリーム1,100円 自費再診料1,650円、ハイドロコロイドパッチ110円/枚がかかります。

当院ではホクロの当日処置は行っておりません。ホクロのように見えて皮膚癌だったり、脂漏性角化症というイボとういことがよくあります。またホクロの大きさ・部位によってはレーザーではなく手術になりますので、まずは診察にお越しください。宜しくお願い致します。








首のイボにエルビウムヤグレーザー

医師の澤田です。
首には加齢や摩擦、体質にともないアクロコルドンやスキンタグと呼ばれる茶色のイボが多数できます。
保険治療では液体窒素で焼いてとる方法もありますが、1回で取れないことが多く通院回数がかかります。また繰り返し焼くことにより色素沈着がイボよりも大きくなりやすいデメリットもあります。

当院では自費診療になりますが、エルビウムヤグレーザーでイボを除去することが可能です。
エルビウムヤグレーザーは周りの皮膚を極力温存しながらイボのみを蒸散するため、治療後の傷跡が目立ちにくく、赤みや色素沈着のリスクが少ないレーザーです。

当院スタッフの首にイボがあったのでエルビウムヤグレーザーで除去しました。



小さいイボであれば照射後の赤みはわずかで、翌日の方がもう少し腫れがでます。レーザー後1週間は化膿止めクリームを塗布していただきます。
もちろんエルビウムヤグレーザーも色素沈着のリスクはありますので、照射部位の紫外線対策は必須です。またビタミンCローション(ICローション)をレーザー部位の赤みに塗布していただくと抗酸化作用で色素沈着を予防でき、よりレーザー部位の跡がすくなくキレイになおります。
年齢とともに増える首のイボは自然にとれることはありませんので、是非レーザーできれいにしましょう。




当院では1回につきイボは20か所までの除去になります。1mmにつき1100円になります。
※別途、麻酔クリーム1100円 自費再診料1650円、化膿止め1100円がかかります。




治療ご希望の方は当院にご連絡をお願いいたします。当院では初回は診察のみ、次回からレーザー治療となりますので宜しくお願い致します。




医師の澤田です。

今日は毛細血管拡張症の色素レーザー(Vビームのことです)で改善している症例ご紹介します。
頬や鼻下に毛細血管が拡張した状態で皮膚から透けていることを毛細血管拡張症といいます。

色素レーザーはヘモグロビンの赤い色に選択的に吸収され、その熱エネルギーが熱伝導によって血管壁に拡散し血管壁を破壊することで血管病変を治療するレーザーです。毛細血管拡張症の治療に使われます。

今回の患者さんは頬に太めの毛細血管の拡張が肉眼的に確認できました。
1回のレーザーで毛細血管拡張が減っています。このように肉眼的に太めの毛細血管拡張がはっきりあると、色素レーザーの効果がでやすい印象があります。毛細血管拡張症は1回のレーザーではすべて改善しないので、まずは3~5回程度繰り返しましょう。

レーザー照射後は強く反応すると照射部位の赤みや赤紫色調変化、腫れがでることがあります。
また炎症後色素沈着といって照射部位が徐々に茶色くなってしまうことがあるのでUV対策必須です。場合によってはハイドロキノンという美白剤も塗っていただきます。

毛細血管拡張症のご相談は予約制になっております。ご希望の方はクリニックまでご連絡お願い致します。
(初診日は相談のみになります。レーザー照射はできませんのでご了承下さい。)

コレクチム軟膏

医師の澤田です。今日はコレクチム軟膏についてお話させていただきます。

コレクチム軟膏は皮膚のかゆみ・炎症を抑えるためアトピー性皮膚炎に適応があります。
アトピー性皮膚炎の患者さんは皮膚バリア機能が低下しており、ハウスダストや化学物質などのアレルギー物質により皮膚の炎症・かゆみを引き起こします。

アトピー性皮膚炎の治療3本柱は「薬物療法」「スキンケア」「悪化因子の除去(汗・ストレス・アレルゲン・紫外線等)」です。
薬物療法には外用薬(塗り薬)、内服薬、注射薬がありますが、アトピー性皮膚炎に一番大事なのは外用薬です。内服薬や注射薬を併用することはありますが、外用薬を治療から外すことはまずないです。

コレクチム軟膏は薬物療法の一つである「JAK(ジャック)阻害剤」という塗り薬です。アトピー性皮膚炎では炎症や痒みを引き起こす信号を免疫細胞に送る「JAK/STAT(ジャックスタット)経路」が過剰に働いており、コレクチム軟膏はその経路を抑えることで炎症・痒みを改善します。

1日2回患部に塗布して使用します。小児用・成人用がありとても使いやすい薬です。



アトピー性皮膚炎の治療で一番有名なのはステロイド外用薬かと思います。
ステロイド外用薬は長期間使用すると、皮膚萎縮といって皮膚が薄くなったり、毛細血管が拡張し皮膚の赤みが目立つことがあります。コレクチム軟膏はそういった副作用がないため長期使用ができます。

ただステロイドにはステロイドの良さもあります。コレクチム軟膏のみではアトピー性皮膚炎の症状悪化時には太刀打ちできないです。コレクチム軟膏はステロイド外用薬の強さ5段階のうち中間の強さと言われています。
ステロイド外用薬の副作用が目立ちすぎて使用を嫌がる患者さんもいらっしゃいますが、ステロイド外用薬とコレクチム軟膏を併用したり使い分けすることが治療においては大事ですよ。