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スタッフブログ

帯状疱疹の診断補助にデルマクイック!

医師の澤田です。

皆さんは「帯状疱疹」という病気をご存じでしょうか。これは、子どもの頃にかかった水ぼうそう(水痘)のウイルスが、治った後も神経の一部(神経節)に潜伏し、加齢や疲労、ストレスなどで免疫力が低下したときに、ウイルスが再度暴れだし「帯状疱疹」という形で発症します。

帯状疱疹は皮膚科の中でも痛い病気の一つと言われています。体の左右どちらかに、多数の水ぶくれと赤い発疹が帯び状に出現し、強い痛みを伴います。

診断は、主に帯状疱疹の特徴的な皮膚所見やピリピリとした痛み(神経痛)で9割近くの患者さんの診断に困ることはありませんが、中には皮膚所見が軽度であったり、神経痛がなかったりと、非典型的な症状の場合は診断に困る場合もあります。(湿疹も水ぶくれができたり、症状が強いときは痛みを伴うときがあるからです。)


つい先日も「左肩に赤い発疹ができた」と受診された患者さんがいました。

よく観察すると、赤い発疹の中に小さな水疱が見られ、左肩に痛みもあるとのことから、帯状疱疹の初期と考えられましたが、当院には「デルマクイック」という帯状疱疹の検査キットがあるため使用させていただきました。

検査は水疱をつぶして綿棒で擦って終わりです。5~10分で検査結果がでるので患者さんの負担も少ないです。
結果はやはり陽性。(Cのところに1本だけ線があれば陰性で、CとTの2本に線がでたら陽性です)



帯状疱疹として確実な診断ができ、抗ウイルス薬の内服を開始しています。
こういった検査キットがあることで誤診を防げたり、より確実な診断ができることで患者さんが安心して治療受けれることは大変なメリットがあると感じています。

乳児血管腫(いちご状血管腫)の治療について

医師の澤田です。

当院では近隣の小児科から生後数か月のお子さんのアザの治療についてご依頼をいただくことがあります。その中でも多いのが乳児血管腫(以前は「いちご状血管腫」と呼ばれていました)です。

赤アザとも言われ、未熟な血管内皮細胞が増殖する良性腫瘍です。
乳児の有病率は1.7%で、女児の方が多いと言われています。経過としては、生後2週間程度で徐々に目立ち始め3~5ヶ月ごろに最も大きくなります。 1歳までには退縮しはじめ小学生になるまでにほとんどが消退します。

しかし、血管腫の部位や大きさによっては毛細血管拡張や皮膚のたるみなどが残ってしまう可能性があり、その場合は治療が必要です。

当院では色素レーザー(Vビーム)という乳児血管腫が治療できるレーザーを導入しております。ヘモグロビンの赤い色に選択的に吸収され、その熱エネルギーが熱伝導によって血管壁に拡散し血管壁を破壊することで乳児血管腫を退縮させます。

腰のあたりにある乳児血管腫を色素レーザーで治療した症例写真です。

3回のレーザーを行い、ほとんど消退しました。この後、さらに消退していきますので完全に消えるまでレーザーを照射しなくても大丈夫です。(保険適用となりますので、乳幼児医療証をご提示いただければ、費用のご負担はありません。)


しかし、乳児血管腫が広範囲であったり、目や口、肛門周りなどレーザー治療では厳しい部位などはへマンジオルシロップという治療薬があり、その場合は副作用や全身状態を見ながらの投与になるため大きな病院へご紹介させていただくこともあります。

治療をご希望の方、あるいはご心配な方は、まずは一度診察にお越しください。(当日は診察のみとなりますので、ご了承ください。)